HOKUSHiN > 木に関する豆知識

木の豆知識


~ 木の家に住みたい人へ 〜 木に関する『最小限の知識』

『木の家』の素晴らしさの一つは、調湿作用=「平衡含水率」が実感できるところにあります。
植物は、空気中の湿度と常に平衡バランスを合わせる習性を持っています。
空気中の湿気が多い場合は吸湿し、少ない場合は放湿します。

無垢の木材も、室内空気の湿度と常にバランスを取り、平行含水率を維持することができます。
室内空気環境を、森林にほぼ近い空気環境に、近づけることができるのです。


※空気中の湿度は、空気の温度によって、大きく変化します。

 ・空気の温度が低い=湿度の上昇
  例:コップの結露 ... 湿度100%越えたものがコップの水滴になる

 ・空気の温度が高い=湿度の低下
  例:サウナ ... 室温が高いため空気はカラカラ状態になる


木の6つの特性



■ 耐久性 ■

木が持つ耐久性は、神社・仏閣の建築物に見られるように、何百年~何千年もの歴史と共に耐え続け、現在において立証されています。



■ 断熱効果 ■

木の断熱率は0.089kcal/(mh℃)と非常に低く、真冬に木に触れても冷たさを感じません。
耐火金庫は、外側は鉄製でできていますが、大切なものを守る内側は、桐板で作られているのをご存知ですか?
桐板は熱伝導率が低いため、万が一の場合でも中に保管してある書類などを守ってくれます。
また、真冬に桐下駄を素足で履いても冷たく感じないのもそのためです。



■ 吸湿・放湿効果 ■

木は、空気中に湿気の多い時に湿気を吸って、湿気の少ないときは放湿する性質をもっています。 平衡含水率とは、自然界にある物質のほとんどが、水を含む要素を持っています。
植物や鉱物、そして我々生態も空気中の湿度に敏感に反応します。
空気が乾燥すると「乾燥肌」になってしまうのも、肌が平衡含水率を維持しようとするために起きる現象です。

正倉院は日本最古の美術館といわれています。
木が持っている湿度調整機能や伸縮機能を活かし、7~8年サイクルで日陰干しをするだけで、天平時代の宝物を当時のままで1300年余も守り続けています。

湿度の高い時には、木が膨張して湿気を遮断し、空気の湿度を下げます。
湿気の少ない時には、木が縮んで室内へ風を通し、溜まった湿気を逃す仕組みが完成されています。 さらに、木から空気へ水粒子が移動し湿度調整もします。



■ 吸臭効果 ■

多孔質な木の調湿能力によって、空気中の水粒子(湿度)はマイナスの電荷を持った状態が生じます。
その結果、木は臭いを吸収する効果を持つと言われています。
活性炭は木からつくりますが、炭になる以前の木も、活性炭同様に調湿能力があるため、その空気の質が臭いの分子構造を電気分解できると、臭いが消えます。

例えば、ビニールクロスで仕上げられた部屋でタバコを吸うと、半日以上もタバコの嫌な臭いが残りますが、本物の木や漆喰壁で仕上られた部屋ではタバコを吸っても、あっと言う間に臭いが消えてしまいます。



■ 抗菌防虫効果 ■

ヒノキやヒバに多く含まれるヒノキチオールは、虫を寄せ付けないために出す香りで、動いて逃げることのできない植物が「自己防衛」のために出す香りです。

ハーブから抽出するアロマオイルは人間にとっても気持ちが楽になる、いわゆる精神安定効果の補助物質です。

木が放つ香りも同様に精神安定効果作用があり、植物が自己防衛のために出す香りが人間にとっては、「心地よい」香りとなっているのです。



■ 精神安定効果 ■

脳細胞は身体全体の酸素を20%も消費します。
脳細胞を活性化してくれる酸素が、森林の空気環境です。
森林浴をするとなぜ気持ちが良いのでしょうか…?
緑を見ると目に優しいのはなぜでしょうか…?
「休む」と言う漢字は「人が木」を見る事によって「休」まると言う意味があると言われています。

人の遺伝子構造は、森の中で暮らす設計であると同時に、精神的にも森の中に住むことを要求しているのです。